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こんにちは。渋谷区代々木のStillaアロマテラピースクール主宰、NARD JAPAN認定アロマ・トレーナー&アロマ・セラピスト 富田ゆかです。

「Today's AROMA」では私の日々のメディカルアロマのレシピや体験記をアーカイブしています。

これは少し前に、父(70代)から頼まれて作ったメディカルアロマのブレンド剤です。

なんでも、洗濯物を干す金属製のピンチハンガーを取り落とし、手首に上からガツンとぶつけてしまったのだとか。固い物ですし、洗濯物もぶら下がっていたらかなり重さがあります。相当痛かったことでしょう💦

それで、すぐ病院に行き診察を受けて(←打撲。幸い骨折などは無し)、その時に処方された湿布で処置している間はまだ良かったようです。しかし、それが過ぎたら「ズキズキと痛みがぶり返し、非常に暮らしにくくて困った・・!」という状況になり、私にアロマケアのヘルプを頼んできたのでした。

父は今までにも私を通じて筋肉のひきつり・膝の痛み・腰痛・腱鞘炎など、痛みのケア関連でもメディカルアロマを色々と試し、精油の効果を実感していました。今回のトラブルはひとまず湿布でしのいだものの、その後の経過を見て「精油の力を借りた方が早そうだ」と思ったようです。

現役時代にずっと製薬会社でMR(営業担当者)として働いていた父は、「こういう時は病院、こういう時は自宅でメディカルアロマケア」と見極めが上手な様に感じます。

2020.01.15 打撲&鎮痛ケア用ブレンド剤、高齢父のために。

打撲・鎮痛・抗炎症・筋肉炎・関節炎のケア用。
精油濃度50%、全4ml。
打撲直後ではなく、少し時期が過ぎた頃の痛みと炎症の改善のために。
70代後半の高齢者に適切な形で。
余った場合も、その後の暮らしの中でオールラウンドに鎮痛・抗炎症ケアに使えるブレンド内容で。


作成時のレシピメモ。精油の「d」は、「滴(drops)」の略です。

memo
  • ❝抗炎症作用・鎮痛作用ジャンル❞には実に様々な種類の精油があるが、その中でも最高にパワフルな組み合わせユーカリ・レモンタイム・サツレオイデスウィンターグリーンのトリオを選択。さらに、打撲のケアに不可欠ヘリクリサムアルニカ油のコンビも加えて、今回のケアを万全に。
  • 今回は高齢者用のブレンドにつき、神経毒性を持つケトン類を多く含むペパーミント*は除外(*妊娠中・授乳中・3歳未満の乳幼児・てんかんなど神経系の疾患を持つ患者・高齢者には、皮膚塗布では使用不可の禁忌を持つ精油)。ケトン類の禁忌がない方であれば、このブレンドにペパーミント10滴ほど追加すると良い。
  • グリーン調×シトラス系の香りが爽やかなユーカリ・レモンは、優れた抗炎症作用と局所に強烈な鎮痛作用を持つシトロネラール(テルペン系アルデヒド類)を75%前後含み、筋肉・関節・腱などあらゆる組織の炎症を伴う痛みに大きな効果が期待できる。
    ただし、テルペン系アルデヒド類の芳香分子には皮膚を荒らす可能性がある。そのため、それを高濃度含むこの精油は禁忌として、皮膚に塗布する場合は50%以下に希釈して用いる必要がある。
  • 抗リウマチ作用・麻酔作用を持つチモール(フェノール類)を10%前後含むタイム・サツレオイデスは、ユーカリ・レモンと組み合わせると、鎮痛作用に相乗効果あり。
    また、この精油は免疫調整作用のあるボルネオール(モノテルペンアルコール類)を最大35%程度含み、更にその他の芳香分子も含めた精油全体の総合的な働きにより、γ-グロブリンの合成を低下させるなど、炎症反応に関わる因子を減らす効果が期待できる。そのため、慢性および急性の炎症性の疾患やトラブルのケアによく用いられる精油である。
    尚、ロットによっては作用が強く皮膚刺激も持つフェノール類を多く含む場合*がある。そのため、この精油は広範囲に使用せず、敏感肌の方には10%以下に希釈するなどの注意が必要。(*ロット毎の芳香成分の含有率はプラナロム/KENSO精油に添付の分析表を確認のこと)
  • メントールにも似た強いハーバルな香りが印象的なウィンターグリーンは、言うならば❝メディカルアロマ界のアスピリン❞。代表的な解熱鎮痛・抗炎症薬アスピリンの主成分アセチルサリチル酸の前駆物質であるサリチル酸メチル(エステル類)を約99%(ロットによっては100%の場合も!)含む精油である。
    体内に取り込まれたサリチル酸メチルはアスピリンと同じ代謝サイクルで処理されるため、この精油は現代医学でアスピリンが処方されるような症状やトラブルの予防やケア全般に用いられる。
    禁忌は、アスピリンアレルギーの方には使用不可であること。
    注意は、敏感肌の方は皮膚刺激のリスクを避けるために20%以下に希釈してお肌に用いること。
    その他、この精油は香りが非常に強いため、用いる場面に応じた滴数の配慮も必要だろう。
  • ❝イタリアンヘリクリサム❞と呼ばれる種類のヘリクリサム精油(Helichrysum italicum ssp. serotinum )は、血栓を生むフィブリンの形成を阻害することによって血腫抑制・血液凝固阻止作用を発現するβ-ジオン(ケトン類)を最大10%程度含む。打撲による内出血・コブ・青あざの応急処置やその後のケアに、この分子の存在が非常に重要な意味を持つ。
    参考サイト

    更に、鎮痛作用・抗炎症作用を持つエステル類の酢酸ネリル鬱滞除去作用・抗炎症作用・コーチゾン様作用を持つモノテルペン炭化水素類のα-ピネン鎮静・抗炎症作用を持つセスキテルペン炭化水素類のγ-クルクメンなども主要成分として持つため、今回のケアに有用に用いることができる精油である。
    β-ジオンは神経毒性リスクを持つケトン類の中でもリスクが低めの分子につき、この種のヘリクリサム精油は用法・容量を注意しながらであれば、妊娠中・授乳中・3歳未満の乳幼児・てんかんなど神経系の疾患を持つ患者・高齢者に対しても用いることができる。

  • 打撲や青あざのケアに欠かせないアルニカ油は、浸出油の一種。ヒナギクに似た黄色の花を咲かせるキク科のアルニカArnica montanaの花を植物油に浸け込み、その有効成分を植物油に移したものである。アルニカの花には局所刺激作用・鎮痛作用・消炎作用がある。
    アルニカ油は特性に抗炎症作用・鎮痛作用・抗リウマチ作用・血液循環促進作用などを持つため、打撲・血腫・痛み・各種炎症のケアに非常によく用いられる。
    禁忌としては、この浸出油の経口摂取は不可。心臓系疾患の原因となることがあるため。
    皮膚塗布では、使用方法・使用量の目安に準ずれば特に禁忌注意なし。

 

🔻この記事の精油ブレンドを参考に実践された生徒さんのアロマケアレポート

 

【メディカルアロマテラピー】とは?
フランスやベルギーを中心に発展している、精油の「香り」だけではなく「成分の薬理作用」まで活用するクリニカルなアロマテラピーの分野です。リラクゼーションの域を超えて、具体的な健康管理や病気疾病の予防や治療も目的となるため、必要に応じて、一般的なアロマテラピーでスキンケアで用いる(0.5~3%)以上に高濃度で精油を身体に用いることもよくあります。
一般的なアロマテラピーとは目的や手法が異なるため、この方式でのアロマテラピー実践には、
①知識—メディカルアロマの正しい知識を持つこと
②精油—メディカルアロマでの使用基準をクリアするグレードの精油(※)を使うこと
の2点が欠かせません。
※②の「メディカルアロマでの使用基準をクリアするグレードの精油」とは、製品(抽出した精油)の中に残留農薬・土壌の汚染物質・添加物などの不純物〉が一切検出されず、製品ロット毎に〈全ての内容成分〉と〈不純物 非検出の結果〉が消費者に証明・開示されている精油のこと。このグレードの精油ではプラナロム(PRANAROM)がメジャー。日本輸入代理店は健草医学舎 https://www.pranarom.co.jp/Stillaアロマテラピースクール アンド サロンでも販売・お取扱いしています。

~メディカルアロマの基礎知識を持ち、精油を安全に効果的にセルフケアで役立てていきましょう~

 

暮らし、仕事、人生。すべてに活きるアロマの資格と知恵を。

Stillaアロマテラピースクール アンド サロンでは、NARD JAPAN認定アロマ・アドバイザーコースアロマ・インストラクターコース毎月開講/定期開講しています。

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