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アロマテラピーで用いる精油(エッセンシャルオイル)には、病原微生物(ウィルス、細菌、真菌)の対策に良い効果が期待できる種類が数多くあります。新型になったり薬剤耐性を持ったり、ウィルスや細菌は絶えず変化します。しかし、精油はそれに振り回されることはありません。その理由は、精油の力が驚くほど多様性に満ちたものだからです。
*画像の植物は、ティートゥリーの葉です。ワンポイント情報はこちら*
ティートゥリーのワンポイント情報

薬剤と天然精油の「大きな差」

追いついても攻略される薬剤

現代医療の発展は目覚ましく、私たちに様々な恩恵を与えてくれました。しかし、次々と「型」を変えて流行するインフルエンザウィルスや薬剤耐性菌の出現など、対応が難しく人命に関わる様々な課題が今も残されています。ウィルスや細菌の遺伝子書換えスピードがあまりにも速いため、ワクチンや薬剤を開発する速さがそれに追いつかないという致命的な弱点があります。

多大なコストと労力をかけて抗ウィルス薬・抗菌薬を開発しても、ほどなくウィルスや細菌たちに内容を解析され、耐性を獲得されてしまいます。こうして、病原微生物と人間が作る薬剤のいたちごっこは際限なく繰り返されているのです。

ありのままでも攻略されない精油

そんな厄介でしぶとい病原微生物たちも、精油に対しては耐性が獲得できないと言われています。実際、メディカルアロマでインフルエンザ対策を行う場合も、「今年は香港〇型だから精油はどれを選ぶべき?」という話にはなりません。

インフルエンザのウィルスに対応する働きを持つ精油であれば、去年も今年も来年も、使用する精油の種類は基本的に大きく変える必要はないのです。

精油の「強み」

幅広い分子を備えて難攻不落

病原微生物の側からすると、精油は攻略が難しい手ごわい相手です。それは、精油は内容構成が非常に複雑で、多様性に富んでいることが関係しています。

1つの精油に、平均で200~250種類もの天然の芳香分子が含まれています。薬剤に香料にしろ、人工ではいまだにこのような複雑な組成の物質は作れないそうです。しかも、精油に含まれるこれらの芳香分子の多くが、〈抗ウィルス〉・〈抗菌〉・〈抗真菌(抗カビ)〉といった抗感染がらみの作用を何かしら持っています。

病原微生物たちは精油に出会うと、その全ての情報を解析して耐性を獲得する前に、次々と目の前に立ちふさがる様々な種類の芳香分子の抗感染の力にあたり、活力を失うのです。

免疫力も支援し予防から活躍

また、天然の芳香成分の薬理作用は、必ず複数の作用を同時に持っています。抗感染がらみの作用を持つ芳香成分の場合は、私たちの免疫力を支援する作用も一緒に併せ持つ場合が多くなります。

つまり、メディカルアロマの感染症対策でポピュラーな種類の精油たちの多くは、それぞれ病原微生物からの感染を抑制しながら、私たちの身体の免疫力の調整・強化にも関与していきます。

精油は感染症対策で予防の段階から積極的に活用されています。それは、正しい知識と方法で使用すれば薬剤のような副作用の恐れがないことと、精油が私たちの身体の外側にも内側にも総合的に感染症対策に有用な力を持っているからです。

まとめ

多様性に富む精油の力は、全て天然由来のものです。精油を用いるメディカルアロマテラピーは、ウィルスや細菌の変化や耐性化に対応しきれない現代医療の弱点を補い、私たちの健康管理に大きく貢献します。

精油一滴一滴との触れ合いは、大自然のホリスティックな力と私たちの自然治癒のバランス能力の繋がりを強めてくれます。正しい知識を持って精油を扱うことができれば、様々な感染症対策や健康管理に活かすことができるでしょう。

香りを楽しみながら、ぜひ毎日のセルフケアに精油の力を上手に取り入れてみてください。


ティートゥリーのワンポイント情報

この記事トップにある画像は、ティートゥリーの葉です。学名 Melaleuca alternifolia、フトモモ科の常緑植物です。オーストラリアの原住民アボリジニが健康管理に利用していたことで有名なハーブです。精油は葉から水蒸気蒸留して抽出します。スパイシーでフレッシュな清々しい香りが楽しめます。

この精油は、抗菌作用・抗ウィルス作用を持つモノテルペンアルコール類(平均40%前後)、モノテルペン炭化水素類(平均30%前後)、酸化物類を多く含みます。そのため、広範囲の感染症に幅広く効果が期待できます。

禁忌事項はなく親しみやすい精油ですが、ナード・アロマテラピー協会(NARD JAPAN)では、

【注意事項】3歳未満の乳幼児や敏感肌には10%以下に希釈して使用することが望ましい。
(精油全体の作用により皮膚を刺激する可能性があるため。)

『NARD ケモタイプ精油事典 Ver.8 』p.213(NARD JAPAN発行)

として注意を促しています。

メディカルアロマの感染症対策では、本格的に罹患する前の予防のタイミングでティートゥリー精油を選び、重点的に使います。

【メディカルアロマテラピー】とは?
フランスやベルギーを中心に発展している、精油の「香り」だけではなく「成分の薬理作用」まで活用するクリニカルなアロマテラピーの分野です。リラクゼーションの域を超えて、具体的な健康管理や病気疾病の予防や治療も目的となるため、必要に応じて、一般的なアロマテラピーでスキンケアで用いる(0.5~3%)以上に高濃度で精油を身体に用いることもよくあります。
一般的なアロマテラピーとは目的や手法が異なるため、この方式でのアロマテラピー実践には、
①知識—メディカルアロマの正しい知識を持つこと
②精油—メディカルアロマでの使用基準をクリアするグレードの精油(※)を使うこと
の2点が欠かせません。
※②の「メディカルアロマでの使用基準をクリアするグレードの精油」とは、製品(抽出した精油)の中に残留農薬・土壌の汚染物質・添加物などの不純物〉が一切検出されず、製品ロット毎に〈全ての内容成分〉と〈不純物 非検出の結果〉が消費者に証明・開示されている精油のこと。このグレードの精油ではプラナロム(PRANAROM)がメジャー。日本輸入代理店は健草医学舎 https://www.pranarom.co.jp/Stillaアロマテラピースクール アンド サロンでも販売・お取扱いしています。

~メディカルアロマの基礎知識を持ち、精油を安全に効果的にセルフケアで役立てていきましょう~

【ナード・アロマテラピー協会(NARD JAPAN)】とは?
「フランス式のメディカルアロマテラピー」の領域も含めたアロマテラピーの研究・教育・普及活動を行っている協会です。
日本におけるフランス式アロマテラピーと天然精油(エッセンシャルオイル)の成分分析・研究のパイオニアです。https://www.nardjapan.gr.jp/
1998年設立。事務局は山梨県甲斐市。ベルギー本部の代表は、メディカルアロマの世界的第一人者であるドミニック・ボドゥ氏。

Stillaアロマテラピースクール アンド サロンは、ナード・アロマテラピー協会認定校(アロマ・インストラクター資格認定校)です。

当協会認定の各種コース&レッスンを開講し、アロマ・アドバイザー、アロマ・インストラクター、アロマテラピーベイシック認定講師(全5コース)の育成を行っています。ご家庭生活からお仕事まで。自然治癒力を育みながら、「心と身体の健康と美しさ」のために有用にメディカルアロマテラピーの知識・技術を活かしたい方々が、StillaのNARD JAPANの各種カリキュラムでアロマテラピーを学んでいます。

 

暮らし、仕事、人生。すべてに活きるアロマの資格と知恵を。

Stillaアロマテラピースクール アンド サロンでは、NARD JAPAN認定アロマ・アドバイザーコースアロマ・インストラクターコース毎月開講/定期開講しています。

今日も様々なバックグラウンドをもつ方々が、Stillaの教室Zoom心と身体の健康と美しさに役立つメディカルアロマを楽しく学ばれています。

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