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中国・武漢市で発生した新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染による肺炎の問題。日本国内で感染が確認された人の数は、本日2/7に新たにクルーズ船で感染された61人の方々が加わったため、一気に86人に膨れ上がりました。日本は今のところは、WHOによるPHEIC(国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態)宣言には至っていません。しかし、店先からマスクが一斉に消えるなど目に見えて緊迫感があります。パニックやデマからは距離をおいて、冷静に必要な対策と健康管理を行っていきたいものです。厚生労働省HPには2/7現在、下記のメッセージが掲載されています。

国民の皆様へのメッセージ
新型コロナウイルス感染症は、我が国において、現在、流行が認められている状況ではありません。国民の皆様におかれては、風邪や季節性インフルエンザ対策と同様にお一人お一人の咳エチケットや手洗いなどの実施がとても重要です。感染症対策に努めていただくようお願いいたします。
厚生労働省HP『新型コロナウイルス感染症について』https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

    1. 咳エチケット
    2. 手洗い・うがい
    3. 十分な栄養・休養
    4. 空気を適度な湿度(50~60%)に保つ

これらの基本策に加えて、メディカルアロマでも自衛していきましょう。

「ウィルス性×呼吸器系」感染症対策の基本

メディカルアロマのウィルス性呼吸器系感染症予防とケアで、最も基本となる精油と実践法をご紹介します。
薬剤では対応が追い付かない新型ウィルスや薬剤耐性化した細菌などに対しても、精油では対応していくことができます。こちらの関連記事も併せてご覧ください。

備えておくべき精油3種

ウィルス性×呼吸器系の感染症対策には、以下の精油3種は「きほんのき」です。

  1. ユーカリ・ラディアタ
  2. ラヴィンツァラ
  3. ティートゥリー

メディカルアロマで健康管理をしているご家庭の精油箱には、これら3本は必ずと言っていいほど常備されています。どれも扱いやすく、風邪やインフルエンザなどの対策以外にも様々な目的で幅広く活用される精油たちです。

この3種類では、ティートゥリーは感染する前の「予防」の段階で使うのが最も効果的です。感染した場合は、ユーカリ・ラディアタやラヴィンツァラの使用に重心を移していきます。発熱や咳などはっきりした症状まで出てきている時には、ティートゥリーはもう本領発揮のタイミングではなくなっているので使用はやめて、他の種類で対応していきます。

各精油について、見ていきましょう。成分の種類や含有率など、全てプラナロム社の精油の場合のデータで記載しています。


ユーカリ・ラディアタ

科名 フトモモ科、学名 Eucalyptus radiata ssp. radiata水蒸気蒸留(葉)。

オーストラリアの有名なハーブ。ユーカリ精油は種類が色々とあり、種類によって含有成分が異なります。成分によって禁忌注意と対応する用途も違ってきます。どのタイプ(種)のユーカリ精油なのかを確認し、目的に合わせて選ぶ必要があります。

ラディアタ種は、基本的な使用方法を守れば皮膚刺激など注意や禁忌がなく、ユーカリ精油の中で最も扱いやすい種類です。そのため、ブレンドを皮膚塗布して用いる場合が多いメディカルアロマにおいては、ユーカリの中ではこの種が最も親しまれています。

空気にディフューズする形での使い方なら、ユーカリ・グロブルスでもラディアタでもさほど気にせず、より香りが好きな方を選べば良いでしょう。(グロブルス種は禁忌注意がありますので、身体に用いる場合は禁忌注意の情報確認をしましょう)。

この精油は以下の3点の理由から、ウィルス性呼吸器系感染症の予防やケアに用いられます。

  1. 抗ウィルス作用を持つ芳香成分類(※)を全体の80%以上含有します。そのため、この精油は抗ウィルス作用が期待できます。
    ※酸化物類の1,8-シネオール(70%前後)、モノテルペン炭化水素類とモノテルペンアルコール類(それぞれ数%~10%)
  2. 70%前後含まれる酸化物類は、去痰作用・抗カタル作用(粘膜の炎症を抑える)もあります。そのため、風邪やインフルエンザなどの呼吸器系感染症で起きる嫌な諸症状の緩和に役立ちます。
  3. 合計で80%程度を占める酸化物類とモノテルペンアルコール類には、免疫調整作用があります。そのため、病原微生物の侵入に対し、免疫力を上げて身体を守る効果が期待できます。

    ラヴィンツァラ

    科名 クスノキ科、学名 Cinnamommum camphora CT (Cineole)水蒸気蒸留(葉付き小枝)。

    熱帯マダガスカルの木。植物としてはユーカリと別のものですが、1,8-シネオールというユーカリ精油の主成分がこの精油にも多量含まれます。そのため、精油はユーカリにとてもよく似た香りとなり、また、メディカルアロマでもユーカリと同系統の目的で大変よく活用されています。

    この精油の香りは、ユーカリの香りにある独特のツンと尖った印象が和らぎ、丸みや穏やかさが感じられることが多いでしょう。

    高齢者の方や乳幼児に対しては、ユーカリ・ラディアタよりもラヴィンツァラをメインに使います。また、呼吸器系の他、メンタルケアやボディケアにも幅広く使える点が、ユーカリ・ラディアタとは異なる部分です。

    この精油の主な成分は、酸化物類の1,8-シネオール(50%前後)、モノテルペン炭化水素類(20%前後)、モノテルペンアルコール類(10%程度)。ユーカリ・ラディアタとは組成バランスは異なりますが、共通する芳香成分類で構成されています。

    それぞれ作用や効果が期待できる事柄については、先のユーカリ・ラディアタで説明したポイントa, b, cと同じですので、そちらをご参照ください。


    ティートゥリー精油

    ※ティートゥリー精油には使用上の【注意事項】があります※

    ※ティートゥリー精油の説明はこちら

     

    ブレンドレシピと活用例

    これらの基本の精油を使った、実践例をご紹介します。

    事前にご確認ください
      1. アロマテラピーは自己責任でセルフケアとして行うことが基本の療法です。
        当サイトでご紹介するアロマレシピ等を実践される場合は、自己責任のもとセルフケアとして行ってください。
        万が一問題が発生した場合、当方では一切責任を負いません。ご了承ください。
      2. 「フランス式メディカルアロマテラピー」は、「精油の正しい知識」と「メディカルアロマでの使用に耐え得る基準をクリアした、専用グレードの精油」の両方を持って実践することが前提です。メディカルアロマが初めての方、及び「上記の基準をクリアしたグレードの精油」についてご存知ない方は、下記コラムのガイドを必ずご確認ください。
      3. 万が一異常があればすぐに使用を中止し、医師にご相談ください。
        禁忌注意のない精油や多くの方に安全に利用できるブレンドレシピであっても、体調・体質・使う精油や基材の状況などによって問題が起きる可能性は0ではありません。

       

      【メディカルアロマテラピー】とは?
      フランスやベルギーを中心に発展している、精油の「香り」だけではなく「成分の薬理作用」まで活用するクリニカルなアロマテラピーの分野です。リラクゼーションの域を超えて、具体的な健康管理や病気疾病の予防や治療も目的となるため、必要に応じて、一般的なアロマテラピーでスキンケアで用いる(0.5~3%)以上に高濃度で精油を身体に用いることもよくあります。
      一般的なアロマテラピーとは目的や手法が異なるため、この方式でのアロマテラピー実践には、
      ①知識—メディカルアロマの正しい知識を持つこと
      ②精油—メディカルアロマでの使用基準をクリアするグレードの精油(※)を使うこと
      の2点が欠かせません。
      ※②の「メディカルアロマでの使用基準をクリアするグレードの精油」とは、製品(抽出した精油)の中に残留農薬・土壌の汚染物質・添加物などの不純物〉が一切検出されず、製品ロット毎に〈全ての内容成分〉と〈不純物 非検出の結果〉が消費者に証明・開示されている精油のこと。このグレードの精油ではプラナロム(PRANAROM)がメジャー。日本輸入代理店は健草医学舎 https://www.pranarom.co.jp/Stillaアロマテラピースクール アンド サロンでも販売・お取扱いしています。

      ~メディカルアロマの基礎知識を持ち、精油を安全に効果的にセルフケアで役立てていきましょう~

      予防用の塗布剤~ウィルス性×呼吸器系の感染症対策~

      ブレンドレシピ
      • ティートゥリー 2ml(40滴)
      • ラヴィンツァラ 2ml(40滴)
      • 植物油(ファーナス油やホホバ油などの酸化しにくいタイプのキャリアオイル) 6ml

      精油濃度40%(※要確認:こちら)。10mlブレンド。保存はガラス製のドロップ栓付の遮光瓶で。ビーカーもしくは容器の中に、材料を全て入れてよく混ぜ合わせたら出来上がり。

      3歳未満の乳幼児や敏感肌の方には、ティートゥリーを1ml(20滴)に減らし、植物油を7mlに増やします(精油濃度30%)。

      使用方法

      医薬品のように厳密ではありませんが、目安としては1日4~5回、1回に3~5滴を呼吸器系の付近(喉・胸・背中の上方)に塗布します。併せて、小鼻の付近に少量塗布しても良いでしょう。香りが好みに合わない場合は、塗布する場所を足の土踏まずに変更してください。

      妊娠中の方は使用しないでください。

      ケア用の塗布剤~ウィルス性×呼吸器系の感染症対策~

      ブレンドレシピ
      • ユーカリ・ラディアタ 5ml(100滴)
      • ラヴィンツァラ 2ml(40滴)
      • 植物油(ファーナス油やホホバ油などの酸化しにくいタイプのキャリアオイル) 3ml

      精油濃度70%(※要確認:こちら)。10mlブレンド。保存はガラス製のドロップ栓付の遮光瓶で。

      使用方法

      目安としては1日5~7回、1回に4~5滴を呼吸器系の付近(喉・胸・背中の上方)に塗布します。併せて、小鼻の付近に少量塗布しても良いでしょう。香りが好みに合わない場合は、塗布する場所を足の土踏まずに変更してください。

      妊娠中の方は使用しないでください。

      ディフューズやスプレー~空気清浄~

      お部屋や周囲の空気清浄のために、今回おすすめした精油を中心にディフューズ(拡散)を行います。

      コットンなどもディフューザー代わりに

      ディフューザーがなくても、コットンやティッシュペーパーで代用できます。また、アロマスプレーが作成できる方は、スプレーを用意すると良いでしょう。

      マスクやハンカチにも

      マスクやハンカチなどに今回おすすめした精油やアロマスプレーを付けて香りをよく嗅ぐと、抗ウィルス作用だけでなく呼吸も楽になります。

      但し、スプレーにレモンやオレンジ・ビターなどの柑橘系果皮の精油が入る場合は、光毒性(紫外線に当たると塗布した皮膚にシミや炎症が起きる)のリスクをよく確認しましょう。全ての種類ではありませんが、柑橘系果皮の精油の多くにフロクマリン類という、光毒性の原因となる成分が入っています。日中にお顔など、露出したお肌にそれらがつかないように注意しましょう。尚、光毒性は皮膚塗布後4~5時間で消失します。

      アロマブランドによる既製品を利用するのも手軽で便利です。

      PRANAROM プラナフォース・スプレー

      プラナロムから発売されている「プラナフォース・スプレー(30ml/定価2,800税別)」は、我が家でもこの時季大活躍の必需品です。
      爽やかな柑橘とともに、今日ご紹介したユーカリ・ラディアタやラヴィンツァラなどもしっかりブレンドされています。小ぶりなサイズで携帯しやすく、また、アロマでちょっぴり珍しいアルコールフリーの100%精油スプレーです。容量小さくても内容は精油原液ブレンド、ワンプッシュでパワフルに香ります。エコギャランティー商品です。

      色々なアロマブランドからスプレーやディフューズ用のブレンドが出ています。初めてアロマテラピーに触れる方は、まずはこういった商品から試してみるのも良いでしょう。気持ちに合う香りで、用途に合ったものが見つかりますように。

      *プラナフォース・スプレーのブレンド内容等は、輸入代理店・健草医学舎HPのこちらのページでご覧ください。

      追記(2021.01.09)

      「プラナフォース」シリーズは、スプレータイプもローションタイプも2020年のコロナ第一波の時にあっと言う間に売り切れ、長期欠品となりました。その後、2020年7月にコロナ対策を意図してブレンドを進化させた後継商品「アロマフォース・ローション」が登場。それに伴い、従来のプラナフォースのシリーズは(この記事でご紹介した)スプレータイプ、およびローションタイプのいずれも廃盤となりました。

      後継商品の「アロマフォース・ローション」はよりパワフルなブレンドになっています。詳しくは、👇こちらの記事でご覧ください。

      まとめ

      いかがでしたか?

      アロマテラピーは精油の種類も多く、また、活用法も様々あります。そんな中から、今日は「ウィルス性×呼吸器系」というタイプの感染症対策の「きほんのき」をご紹介しました。大自然由来の香りと力を感じながら、正しく安全に、できるところから暮らしの中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

      今日ご紹介した3種類の精油は全て「抗ウィルス」と共に「免疫力も上げて行く」ことができるものです。薬剤とは異なるホリスティックな力で、精油は私たちに働きかけてくれます。芳香植物の素晴らしい力を上手に借りて、今回の新型コロナウィルスにもインフルエンザウィルスにもしっかりと自衛をしていきましょう。

      ※以下、厚生労働省HPの掲載文です。

      湖北省から帰国・入国される方あるいはこれらの方と接触された方におかれましては、咳や発熱等の症状がある場合には、マスクを着用するなどし、事前に保健所へ連絡したうえで、受診していただきますよう、御協力をお願いします。また、医療機関の受診にあっては、湖北省の滞在歴があることまたは湖北省に滞在歴がある方と接触したことを事前に申し出てください。

      ・厚生労働省の電話相談窓口 電話番号:0120-565653(フリーダイヤル)
      ・受付時間:9時00分~21時00分(土日・祝日も実施)

      厚生労働省HP『新型コロナウイルス感染症について』
      https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

       

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